火守について
「火守(ひもり)」は、お客様ではない。火を守り、水を守り、この土地に、ただ在る人のこと。
I
火守とは
湧火に、従業員はいない。受付も、案内も、もてなしもない。
ここを訪れる人は、サービスを受け取る客ではなく、火の番をし、場所を守る、ひとりの当事者になる。薪をくべるのも、沢に入るのも、後始末をするのも、すべて自らの手で。
湧火は、完成された施設ではない。原野に火を入れ、少しずつ育てていく場所。その火を、最初に囲む数名を、火守と呼ぶ。
II
なぜ、招くのか
場所は、明かさない。地図にも、載せない。検索しても、出てこない。だから、ここを知るには、招かれるしかない。
半径五百メートルに、人がいないこと。物音も、灯りも、視線もないこと。それを保つために、数を絞る。多くは、求めない。
誰にでも開かれた場所ではない。けれど、開かれていないからこそ、守れるものがある。
III
火守に、求めるもの
年齢でも、肩書きでも、財でもない。問うのは、火と水と森に、どう向き合うか。それだけ。
火守となる方に、いくつかの約束をお願いしています。
- 場所と料金を、外に明かさないこと。
- 火と水と、人への礼を守ること。他者の沈黙に、視線を向けないこと。
- 自らの安全を、自らで引き受けること。自然の沢は、天候で表情を変える。無人の原野で、薪の火を扱う。それを承知のうえで、無理をしないこと。
- 来たときよりも、美しく残すこと。火を始末し、ごみを持ち帰り、次の人へ、静けさを手渡すこと。
これらは、規則というより、姿勢のこと。湧火を、湧火のまま保つための、ささやかな約束。
IV
招かれ方
まず、便りを送ること。名前と、連絡先を添えて。
所定の審査を経て、火守として迎える。審査といっても、試すのではない。この場所と、長く付き合えるかを、互いに確かめるだけ。
火守となれば、会員ページから、希望の日時を一時間単位で予約できる。あるいは、火守になる前に、一度だけ体験することもできる。
急ぐ必要は、ない。火は、待っている。
V
火守の証
火守になると、名を刻んだ会員証が発行される。予約は、ここから始まる。
湧火YUUKA
見本 太郎
プラチナ 火守
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これは見本です。実際の証には、あなたの名と、いまの刻が映ります。