湧火YUUKA 日本語·EN·中文

山梨県の最北。八ヶ岳と南アルプスに挟まれた、県内でもっとも広い市域。
湧火は、この市域の、甲斐駒ヶ岳の山麓にある。

土地THE LAND

八ヶ岳と、南アルプスのあいだ。

北に八ヶ岳、西に南アルプス、東に瑞牆山と茅ヶ岳。三方を山に囲まれた高原の市である。

面積は602.48平方キロメートル。山梨県の市町村では最大で、県土のおよそ13.5パーセントにあたる。そのうち76.4パーセントが森林等。

2004年、北巨摩郡の七町村が合併して市になった。2006年に小淵沢町が加わり、いまの八つの旧町村からなる市域になった。

出典:北杜市公式サイト

THE MOUNTAIN

白い山は、花崗岩でできている。

甲斐駒ヶ岳、標高2,967メートル。南アルプス(赤石山脈)の北端に、独立峰のように立つ。深田久弥『日本百名山』の一座。

南アルプスの多くの山が堆積岩からなるのに対し、甲斐駒ヶ岳は例外的に花崗岩でできている。およそ1,500万年前、地下深くでマグマが冷えて固まった岩体が、隆起して地表に現れたものだ。

花崗岩は、白い。だから夏でも、この山は雪をかぶって見える。かつては白崩山とも呼ばれた。

麓からの標高差は、およそ2,200メートル。前置きなく、立ち上がる。

出典:産業技術総合研究所 地質調査総合センター「地質で語る百名山」ほか

WATER

山が、水を磨いている。

花崗岩は、水を濾す。降った雨と雪は、この岩体を長い時間かけて通り抜け、麓へ湧く。

甲斐駒ヶ岳を源とする尾白川は、環境省の名水百選に選ばれている。八ヶ岳南麓の三分一湧水、大滝湧水も同じく。市内に、名水百選が三つある。

サントリーが白州に蒸溜所を置いたのは1973年。全国を調べた末に、この土地の水を選んだ。

山梨県のミネラルウォーター生産量は年間およそ158万キロリットル。全国のおよそ四割にあたる。

出典:環境省 名水百選/北杜市公式サイト/サントリー公式/山梨県公式サイト(日本ミネラルウォーター協会 2022年生産量調査による)

THE FOREST

二つのエコパークが、重なっている。

市域の76.4パーセントが森林等。地区によっては、八割を超える。

南アルプスユネスコエコパークと、甲武信ユネスコエコパーク。北杜市は、その両方の区域を市内に持つ。

出典:北杜市公式サイト/南アルプスユネスコエコパーク公式

時間TIME

二千年、立っている木がある。

市内の実相寺に、山高神代桜。エドヒガンの巨樹で、推定樹齢は1,800年とも2,000年ともいわれる。

1922年、国の天然記念物に指定された。日本三大桜の一つに数えられる。

この一帯は、かつて甲斐の辺境を守った武士団の地でもあった。武田に仕え、武田が滅びたのちは徳川に仕えた。

出典:山梨県公式観光ネット/北杜市公式サイト。樹齢は推定値。

気候CLIMATE

雨は少なく、寒暖の差は大きい。

内陸性の気候。大泉の観測では、年平均気温10.7度。もっとも暑い八月で22.3度、もっとも寒い一月で氷点下0.4度。

年間日照時間2,081時間、年降水量1,138ミリ。全国平均より、日は長く、雨は少ない。

標高の差がそのまま気候の差になる。同じ市内で、季節が半月ずれる。

出典:北杜市公式サイト(大泉地点)

米と、酒RICE & SPIRITS

ここでしか作られていない米がある。

農林48号という品種がある。1949年に育成されたが、出穂が遅く病害に弱いため、1961年に山梨県の奨励品種から外された。以来、この一帯のほかでは、ほとんど作られていない。

花崗岩の伏流水と、白砂まじりの土と、昼夜の寒暖差。冷めてもうまい米だといわれる。

酒は、七賢。ウイスキーは、白州。どちらも、同じ山から降りてきた水の上にある。

出典:山梨県・農協等の公表資料

距離DISTANCE

東京から、二時間。

中央自動車道で、新宿から小淵沢インターまでおよそ二時間。特急あずさなら、新宿から小淵沢駅までおよそ一時間五十分。

近い。それでも、着けば人はいない。

湧火は、この土地にある。

甲斐駒ヶ岳の山麓。花崗岩が磨いた沢の水と、森から出る薪。

この頁に書いたことは、すべて、火を焚く前からそこにあったものだ。

湧火について →

この頁の数値は、各出典の公表時点のものです。樹齢など、推定値を含みます。所在地および経路は公開していません。