山梨県、北杜市。ある原野に、ひとつのサウナがある。半径五百メートルに、人はいない。水風呂は、すぐ脇を流れる沢。夏で十二度、冬で八度。水底が見えるほど、澄んでいる。火は百度を超える。場所は明かさない。地図にはない。ここを知るには、招かれるしかない。
火と水のほかに、用意したものは、ない。
残りは、この土地をどう過ごすか——それだけだ。
沢で遊ぶ。焚き火を熾す。木を削り、土に触れる。
オロポも、ビールも、沢が冷やしてくれる。ときに、何もしない。
半径五百メートルに、人はいない。だから、好きな音楽を、好きな音量でかけられる。誰の迷惑にもならず、誰も見ていない。天然の沢だから、サワガニと遊べる。人のいる場所でも、つくられた水でも、できないことだ。
決められた過ごし方は、ない。使い方に、限りもない。
検索しても、出てきません。地図にも、ありません。
訪れる方法は、招かれること、ただひとつ。
最初に招く数名——火守(ひもり)に、便りを送ります。
中央自動車道・須玉ICから、車で二十分。
首都高・新宿ICから、車で二時間。
正確な場所と道順は、招かれた方にお伝えします。